雑記、19

 懐が温かくなった。
 これはカイロを腹に巻いた、とか恨みのこもった刃を腹に受けた、とかそういう話ではなく、単に収入のない自分の財布に久しぶりに札が入ったというだけのことだ。
 理由はゲームを売ったこと。

 まず自分の主義は、ゲームは基本的に売らない派だ。そもそも未だにDSやPSP時代のゲームを引っ張り出してきてプレイしているクチなので物持ちが良くて、売る必要がないとも言える。
 ただ先日(先日というのも憚られるほど先の日だが)、敬愛する某氏が「ゲームは売って次のゲームを買う糧にする」と言うのを聞いたので、そうした次第だ。
 まあとは言っても、わりとゲームはやり込む方でしかも複数を同時進行するので進みが遅く、満足する頃には大概時期が過ぎ去っていて、叩き売りされるものというイメージがある。(過去に売ったアイマスプラチナ何ちゃらとMHWは合わせて100円だったし)
 そういう訳であまり期待せず店に行った訳だが、まあいい方に予想外だった。
 ニーアは売れるだろうなと思っていたが、ステラステージやアンテまでマトモな値段が付くとは思わなかった。2020年にもなって誰がプレイするんだよ。
 まあそういう訳で金を得た。二度とプレイしない作品だっただろうし少しの間の食費に消えるだろうがまあこれも糧ではある。

 自分の持ち物を売るのは気が引けるな、と思う。
 小さい頃から物にも精神が宿っていると思っているタイプの子供だった。ぬいぐるみをしまい込むのはかわいそうだと思っていたし。
 自分の物の価値を他人に量らせて金銭と交換するというのは、ひどく冷たい行為だろうと思う。流石にこの歳にもなって無機物に情が湧くわけではないが、それでもどこか背徳的な行為のように感じられる。
 人の体は幾らの価値だったか。 200万だったり3000万だったり2億だったりと解釈が分かれるようだが、そんな風に値を付けられる存在にはなりたくないな、と思う。
 木端のゴミと同じ価値に生きるより、粗悪で無価値な不良品として世を謳うような人間でありたいと思っている。